はじめに
ETF市場に流れ込む巨大な資金
他の投資家がどこに投資しているかって気になりますよね?この質問にほとんどの投資家がイエスと答えるでしょう。お金の動きを観察することは、投資家として自然な好奇心であるだけでなく、市場にも明らかな影響を及ぼします。
今日は上場投資信託(ETF)におけるお金の流れ(ETFフロー)、そしてそれらが市場の動きにどのように影響するか。についてお話します。
ETFは、人々にとっては投資先の1つにすぎませんが、現在明らかに大きなお金が流れ込んでいます。
私の同僚が作成したデータは、ETF市場が5.7兆ドルを超える資産をカバーしていることを示しました。多くのETFが特定の資産クラスまたはセクターの値をリアルタイムで反映しているため、ETFフロー値にはいくつか優れた特性があります。
5年で約12倍の資金流入を示した米国ETF市場
一つ目に印象的なのは、市場にどれだけのお金が流れ込んでいるかです。過去12か月の間に、約6500億ドル(2017年は年間400億ドル)が株式および債券のETFフローに流入しました。これは過去に比べて異常に大きな金額であり、昨年市場が非常に好調であった理由の一つでしょう。
ETFフローの性質についても説明します。より小規模かつ不安定な企業にお金を注ぎ込む投機的活動は非常にエキサイティングですが、ETFへの投資は残念ながら単純かつそれほど刺激的ではないと言わざるをえません。それはETFが幅広い証券バスケットによってさまざまな銘柄を取引しているためです。これによりリスクだけでなくリターンも減ってしまうのです。
やっぱり人気はESGファンド(Environmental, Social, and Governance)
二つ目に印象的なのは、ESGファンド(Environmental, Social, and Governance)に投入された金額です。昨年ESG関連ETFへの資金流入は350億ドルを超え、これは米国の新興市場関連株ETF、高利回り債券ETFまたは金ETFを上回るものでした。
また、質問に答えるのにも役立ちます。現在債券のリターンは低く、世界株式市場は右肩上がりです。どちらも、債券をポートフォリオに組み込むべきか?という疑問を投げかけています。
コロナ感染症の流行中も債券を保持し続けた投資家が多数
ETFフローを見てみましょう。実は債権のリターンが低いにもかかわらず債券ファンドからの資金流出はさほど見られていません。この事実は、他の投資家が私たちと同じように、引き続き債権をポートフォリオに組み込んでいることを想起させます。他の人が何をしているのかについての関心は必ずしも生産的ではありませんが、たまにはそれが役立つときもあるようです。
*上記のコンテンツはPodcast "Thoughts on the market"を和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。
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