Morgan Stanley, food retail equity analystのSimeon Gutman と US industry equity analystのBrianが、オンライングローサリーを扱う食品小売業界の未来に関する質問に答えてくれました。  


Q オンライングローサリーがトレンドになっているけど、この先どうなると思いますか?

最大のポイントは、オンライングローサリーでの買い物が衰退しているようには見えないことです。オンライングローサリーはパンデミックの間に多くの消費者に採用されました。パンデミックからある程度回復したにもかかわらず、オンラインで食料品を購入することが消費者たちに定着しているように見えます。


Q アンケートの結果、全回答者の約40%がオンラインで食料品を購入しています(パンデミック前の2019年では約27%)。この数値はどのように変化していくでしょうか?

我々は、2020年の間にオンライングローサリーの普及率は9~10%上昇していたと考えており、明らかに普及率が上向きであると言えます。この数値はさらに2023年までにさらに15%上昇するでしょう米国におけるオフラインでの消費者支出の45%は食料品に関連しており、全体像としては、食料品が今後の米国の商取引全体の成長の約25%を牽引すると考えられます。

Q ピックアップとデリバリーのどちらがこれからのトレンドになりますか?

どちらも非常に人気があります。興味深いのは、ピックアップに向かう顧客が10%ほどデリバリーを好む顧客より多いことです。これは、消費者が配達料金を回避しようとしていることを示しています。今後これらの顧客は、時間の経過とともにオンライングローサリーを使用しなくなるか、または配達料を請求しないプラットフォームに移行する可能性があることを示しています。配送料を請求していないサービスは今後、時間の経過とともに市場シェアを獲得していくかもしれません。

Q オンライングローサリー業界内での競合はどのようになっていますか?

我々は、昔からある古いタイプの小さな食料雑貨店を心配しています。なぜならこれらの食料雑貨店がこの競合の真っ只中にあるからです。利便性や価格を無視してでも人々が行きたいと思う小さな食料雑貨店がありますよね。一方で、物を大量に安く扱っている巨大食料品店もあります。規模が大きく、多くの市場に存在する全国的な食料品チェーンは、流通に投資しなければならないマージンをすでに抱えており、おそらく消費者に製品を届けることに、このマージンを費やすことができます。一方で小さな会社はすでにかなり低いマージンのために、流通に回すための資金がありません。このため、これらの小さなローカル食料雑貨店はより強い圧力を受けているようです。

Q 配達料金は今後どうなっていきますか?

ゼロになるでしょう。そしてこれが当たり前になっていくと考えています。このアイデアは、多くの企業が既に実施しているサブスクリプションの導入に基づいています。代表的なのはAmazon primeとWalmart+です。これらの巨大企業がサブスクリプションを導入した現在、競合はより激しいものとなっていくでしょう。 

 翻訳協力:翻訳細胞くん_translator cell

*上記のコンテンツはPodcast "Thoughts on the market"を和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。