はじめに
Morgan Stanley, U. S. equity strategist and head of thematic investingのAdamがコロナ後の米国における新たな投資先について話してくれました。
スタート
2021年、我々は市場にとって明白かつ重要なことを研究してきました。それは、コロナ後、世界中で経済活動が再開(リオープニング)した際に、現実が今とどう変わるかということです。まずはコロナが私たちの生活や、消費活動にどのような変化をもたらしたかという話から始めましょう。
私たちの多くはこの1年、家でより働き、家でより消費しました。それにより、経済のデジタル化(すなわち電子商取引の拡大)が急速に加速しました。現在、ワクチンの配布が増加している事実に加えて、温暖な季節が始まろうとしています。これらは、リオープニングにたいしてポジティブな影響を与えるでしょう。しかし、リオープニング後の経済は、コロナ以前とまったく同じようになるとは私は考えていません。
リオープニング後の経済において、どの市場の反応が遅く、どの市場が最も早くコロナ以前のパターンに戻るのか、投資家は正しく理解しなくてはなりません。現在の市場がもたらしている”通常価格”が正しく設定われているかどうかを理解することで、あなたの投資生活はぐっと向上するでしょう。そのために必要な二つの点について見ていきましょう。
生産性の向上 vs コストの上昇
一つ目は、パンデミックの間に見られた生産性の向上による利益と、パンデミックから生じる過剰なコストを比較した時に、どちらが勝つかということです。
昨年は必然的に、多くの企業が利益を守るためにデジタル化を選択しました。これが機能したという事実は間違いありません。昨年の収益は全体で15%減少しましたが、これらの損失は一時的なもので、全体の中央値に位置する複数の企業は実際に収益と利益を守ることができたという並外れた結果を残しました。このデジタル化による効率の向上は、単純に比較すると収益30%以上(通常15%~45%の間で推移すると言われている)の成長率を予測させるものです。一方で、コモディティやサプライチェーンにおいて労働市場がタイトになっており、運用コストが急速に上昇しています。
企業は引き続きデジタル化戦略を使用して効率を向上させると考えられます。しかし現在の市場価格には、短期的かつ楽観的な見方がすでに含まれている可能性があり、コストの上昇に直面した際の価格の下落に注意が必要です。
業界ごとに異なる回復
二つ目は、業界内において、すべての企業においてリオープニングが同じように起こっていくわけではないことを知っておくことが重要です。
旅行業界を考えてみましょう。レジャー旅行においては、需要の回復の兆しがすでに見られます。たとえば、ラスベガスへの旅行予約はすでにいっぱいになっています。一方で出張に関連する長距離移動は未だに行われておらず、これがコロナ前の基準に戻るには時間がかかるかもしれないと言われています。
ビデオを介して職場で会議を主催する別の方法を設定することはおそらく問題ありませんが、友人との時間や家族との時間にとっては、ビデオは代替手段になり得ません。
不動産市場に要注意!
おそらく、特に注意が必要な市場は不動産市場です。不動産は、住宅だけでなく、Eコマースや医療、小売業者へのオフィス提供など、市場が考えるよりもあらゆる業種に対してサービスを提供しているからです。すなわち、不動産業界に含まれるセクターが抱える減損を無視して価格設定されている可能性があるということです。
私たち投資家は、不動産市場の価格設定をより慎重に行うべきであると考えています。たしかに、永続的な減損を仮定することがより理にかなっている市場もいくつかあります。一方で、リオープニング後にアパートの需要が戻ってくることも考えられます。
肝心なのは、リオープニング後の現実にはいくつかの新しい需要があり、それを予測することです。そして、市場がどのように価格設定を行っているか、または価格設定にどの程度失敗しているかは、今年の市場の重要なテーマであり続けます。
*上記のコンテンツの一部はPodcast "Thoughts on the market"を和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。




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