はじめに
あなただけが知っている無名の企業。
今のうちにその企業の株式を購入しておき、数年後には10バガー、いや100バガー。なんてことは投資家なら誰しも考えたことがありますよね。
それは企業投資家も同じです。MorninstarではProspects listに無名な企業をリスト化しておき、株価が急騰するのを今かと待っています。
今日はMorninstarアナリストNick Goralkaが、Prospects listに追加する企業の選び方と、新たにProspects listに追加した2つの企業を紹介してくれました。
スタート
司会:まずはMorningstar Prospects listとは何か教えてもらえますか?
Nick:Morningstar Prospects listとは、まだどの投資アナリストにも見つかっていない株式や市場が記載されたリストのことですね。
その特徴のため、確実に上昇する株式を見極めてリストに載せるのは非常に難しいです。
しかし我々Morningstarでは、この巨大な世界株式市場でまだだれにも見つかっていない金の卵を見つける戦略を持っています。
詳しくは説明できませんが、例えばその企業のマネージャーの在籍期間に着目したり、ローコストな企業運営に着目したりしています。
マネージャーが10年前後継続して経営にたずさわっている企業の成長率は、マネージャーの入れ替わりが早い企業よりも高いことが分かっていますからね。
司会:Prospects listに挙げられたということは、まだどの投資アナリストからも分析レポートが出ていないということですよね?
その中から分析する価値のある企業を選び出すわけですが、どれくらいの数の企業がProspects listから選ばれるのですか?
Nick:そんなに多くはありません。
Prospects listに載るということは、未だに経営戦略に疑問が残っているということです。
Morningstarのアナリストはその疑問に対する回答を高い水準で要求してきます。
もし企業がその回答を示せない場合は、Prospects listからも削除されてしまいます。
株式会社は世界に無数にあるわけですから、Morningstarのアナリストの目にとまるというだけでも非常にレアなことなのです。
司会:どれくらいの期間、企業はProspects listに掲載されているのですか?
Nick:ケースバイケースです。
Morningstarのアナリストレポートは6か月ごとに報告されるので、最速で6か月でProspects listを卒業することができます。
2~3年以内に、アナリストの目にとまらなければリストから削除されます。
司会:最近あなたのチームは新たに2つの海外株式をProspects listに追加しましたね。
まずは1つ目のPzena Emerging Markets Value Fund Institutional(MUTF: PZIEX)という投資会社について、なぜProspects listに加えたのか教えてください。
その戦略とは、 Deep-value emerging-markets strategyという、新興国株式市場のバリュー株のみ保持するというものです。
最近の新興国バリュー株は、投資家の間ではまったく支持されておらず、こんな勇気のある戦略をとれる企業はほかにないでしょう。
Pzenaは独自の評価指標を用いて、TOP20%の最も割安な新興国バリュー株式のみを買い集めています。
この戦略からもPzenaがいかにローコストで経営を進めているか分かりますね。
実際に同業他社よりもはるかに低いベンチマークを示していますよ。
さらには経営者が2022年に代わったりました。彼の手腕次第で、10年かけてPzenaは大きく成長していくかもしれません。
司会:もう1つ、Aristotle International Equity Fund(MUTF: ARSFX)という投資会社をProspects listに加えていましたが、こちらはなぜですか?
Nick:ARSFXも同様に特殊な戦略をとっているからです。
こちらは30~40の持ち株に集中投資しているのです。これはとてつもないリスクです。
一般的に、投資対象は分散すれば分散するほど、インデックス投資のように、市場のベンチマークに沿った値動きを見せてくれます。
反対に投資対象を集中すればするほどベンチマークの動きから逸脱することになるでしょう。
つまり、パフォーマンスが劇的に高いか、劇的に低いか、どちらかの結果をもたらします。
この企業では2人のマネージャーが2014年から8年間優れた経営手腕を見せてくれています。
ここからの2年は彼らの集大成となると予想しています。
司会:これら2つのファンドから目を離せませんね。今日はありがとうございました。
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