はじめに
2021年末頃から「メタバース」の検索数が大きく上昇しています(下図)。
Google trendより引用 |
耳の早い投資家なら既にメタバースについてご存知かもしれませんが、まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか?
今日はMorgan Stanleyがまとめてくれた、投資家が知っておくべき「メタバース」についてのポイントを7つ、質問形式でまとめましたのでぜひ読んでいってください。
スタート
Q:メタバースとはなんですか?
A:メタバースは世界3大SF作家の1人であるIsaac Asimovが考えた世界の中にあるように感じる人もいますが、そうではなくより現実的なものです。
一言で説明すると、「物理的な生活とデジタルな生活の境界線を曖昧にする3D仮想世界のネットワークの作成・構築」することをメタバースと呼びます。
ゲーム上で既にこのコンセプトは広く一般的になっていますね。
Q:メタバースでどんなことができるようになりますか?
A:メタバースにはゲームプレイヤーだけでなく一般的な消費者向けのアプリケーションも含まれています。
デジタルツインを利用して衣類を注文したり、不動産や家具を購入したりできる未来を想像してみてください。
エンターテインメントから教育まで、あらゆるものを変革する可能性があります。
たとえば学生は、古代ローマについて教科書を読む代わりに、それを3D空間で事実上体験することができるようになりました。
Q:将来我々はどれほどの時間をメタバースにより構築された空間に費やすことになりますか?
A:Morgan StanleyのインターネットアナリストであるBrian Nowakは
「メタバースは、次世代のソーシャルメディア、ストリーミング、ゲーム、ショッピングプラットフォームになる可能性が最も高いと考えています。」
「それは、ある意味では、デジタルプラットフォーム上で私たちはすでにメタバースに住んでいるからです。」といっています。
米国のユーザー全体で、ソーシャルメディア、ストリーミング、ゲームに年間約110億日費やしています。
リニアテレビ(従来のケーブルTVと同様に、設定されたスケジュールに従って視聴できる番組)の視聴には年間約140億日を費やしています。
この時間は、最終的にはメタバースに移行する可能性があります。
Q:メタバースにはどのようは投資チャンスが眠っていますか?
A:メタバースが普及する前に、既存のデジタルプラットフォームのセキュリティ強度、コンピューティング能力やプライバシーの問題まで、さまざまなハードルを克服する必要があります。
ここにいくつかの投資チャンスとリスクがありますね。
メタバースという言葉から連想される世界では、アバターがデジタルカーを運転し、Non-fungible tokens(NFT)を使用して、架空の家やそこに飾るアートを購入しますよね。
このような仮想商取引は最終的には重要になる可能性がありますが、メタバースの最初のアプリケーションはより実用的でなければなりません。
Nowak氏は、「メタバースは、主にオフラインの製品や購入のための広告およびeコマースプラットフォームとして機能することを期待しています。」といっています。
実際、広告とeコマースは、ゲームや音楽から衣類、自動車、不動産にいたるまで、米国の消費者支出の8.3兆ドルをしめています。
それほど遠くない将来、メタバースの恩恵により消費者は、
・新車の試乗を家にいながら体験したり
・リフォーム後の家に住みながらリフォーム計画をたてたり
・世界中のライブコンサートイベントに参加したり
より没入型の体験をできるようになる可能性があります。
Q:一方で、メタバースへの移行のハードルとなるものは何ですか?
A:メタバースは、ちょうどストリーミングサービスが店舗型レンタルビデオ屋を撤退させたように、現在主流となっている商取引との競合に勝利しなければ広まりません。
ここに大きなハードルがあります。
例えば投資家は、現在支持している企業に対してメタバースが与えるダメージを長期的に考えなければなりません。
現在の企業に出資を続けて安定した利益を求めるのか、それともメタバースを推進する投資を行い既存のサービスと闘う道を選ぶのか。
バランスが「メタバース」側に傾いた時点から、現在主流となっているサービスが大きく変わっていくでしょう。
Q:メタバースが競合する現在主流のサービスとは何ですか?
A:デジタルメディアとeコマースですね。これらのサービスは非常に堅牢です。継続的に改善もされており、強敵となるでしょう。
カギとなるポイントはいかに消費者の注目を集めることができるかです。
「結局私たちは、メタバースが何億人もの消費者の、どのような問題点を解決するのかを(投資を行うために)明らかにしなければなりません。」
Nowak氏は、メタバースへの移行を目指す企業には、消費者大量獲得を促進するためのパートナーまたは「キラーアプリ」が必要になると述べています。
Q:メタバースに移行する際、消費者はより多くの個人情報を提供しなければならないと話題になっていますが、本当ですか?
A:その通りです。
消費者はeコマースやソーシャルメディアを介して個人情報を共有することに慣れてきました。
しかし、メタバースが商取引、教育、ヘルスケア、仕事を変革する場合、ソーシャルメディアで現在活動しているよりもはるかに多くの消費者(潜在的に数億人)が、自分が何を誰と行っているかについて、より詳細な情報を開示する必要があります。
これらが大きなハードルとなるでしょう。
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