【米国経済】米国経済をけん引する3つのエンターテイメントとは?

はじめに

コロナ感染症のまん延防止により、人々が自宅で過ごす時間が長くなった2020-2021年。

ストーミングサービスの黄金時代といっても過言ではないでしょう。

消費者は劇場や映画館に行く代わりの在宅エンターテイメントを求めていましたからね。

さて、黄金時代のおかげで、消費者の自宅にはストリーミングサービスを楽しむためのセットが完備されています。

今後はどのメディアや、どのエンターテイメントサービスがストリーミングセットを完備した消費者をうまく利用することができるでしょうか?

今日はMorgan Stanleyも注目している3つのエンターテイメント「ストーミングサービス」「広告」「ライブエンターテイメント」における2022年の成長予測を紹介します。

スタート

「これから紹介するセクターの企業の70%は、2022年に10%以上の収益成長が見込まれています。」とMorgan StanleyのU.S. Media Research group責任者であるBen Swinburneは述べています。

「しかし、このデジタルエンターテイメントに対する需要の強さは、Morgan Stanleyがカバーする25社におよんでいますが、その強さを収益に変換する能力はセクター、または企業ごとに大きく異なります。」

では、エンターテインメント経済のどのプレーヤーが現在の環境から利益を得る立場にあるのでしょうか?

投資家が知っておくべきことは次のとおりです。

1.ストリーミングサービス:コスト上昇に一抹の不安

有料テレビやリニアテレビ(従来のケーブルTVと同様に、設定されたスケジュールに従って視聴できる番組)から、インターネットメディア配信への移行により、映画館やテレビ放送局の運命は大きく変化しました。

しかし、投資家は依然としてストリーミングサービス関連企業への投資に懐疑的です。

そんな投資家の不安をよそに、およそ10億世帯がインターネット配信に移行するか、すでに移行しており、これは、ストリーミングプラットフォームの収益が大幅に増加することを意味します。

そもそも、これらのプラットフォームの多くはこれまでレガシーエンターテインメント企業の一部です。

すなわちストリーミングプラットフォームの成長は、同じ企業が提供する有料テレビやホームビデオなどの他のサービスを犠牲にしてもたらされます。

我々の予想では、今後ストリーミング業界はより資本集約的になり、新規参入により多額のコストが必要になっていくでしょう。

すなわち2022年から2025年の間に、コンテンツ作成のための支出が毎年12%以上増加すると予想されます。

加入者の継続的な成長はストリーミング収益の向上を意味しますが、コンテンツ作成コストの上昇は、投資家が一時停止ボタンに親指を近づける可能性を意味します。

Swinburne氏は、「2020年に大きな利益があり、2021年にさらなる利益を獲得してきたので、ストリーミングビデオは2022年に少し報いを受けるでしょう」と述べています。

2.広告:デジタル広告に注目

コロナ感染症で受けたダメージから経済が回復する最中、個人消費が増加すると予想されています。

そのため企業は、広告を出し続けることで、自分たちの名前がより消費者の目にとまるように努力するでしょう。

「10月には、2021年の米国の広告業界に対する成長期待をほぼ倍増させ、2022年の期待をコンセンサスを上回る14%に引き上げました」とSwinburne氏は述べています。

彼のチームは、最も急速な成長はインターネットTV/ストリーミングビデオやデジタルオーディオ/ポッドキャスティングなどの新興分野からもたらされると予測しています。

米国の広告成長の復活は、家庭外(OOH)広告台頭の前兆でもあります。

中小規模の市場のデジタル看板は、費用対効果の高い方法で構築できることから、収入は広告費よりも速く成長しています。

その結果、OOH企業は、予想よりも高いマージンを提供できる立場にありますね。

一方で広告を作成するエージェンシーは、タイトな労働市場に苦しむ可能性があります。

これはコピーライター、デザイナー、アカウントスタッフの給与が大きくなることを意味し、利益を圧迫するでしょう。

とはいえ収益成長が予測されるため、投資家はモバイル広告ネットワークに注目する必要があります。

最大の注意点はインフレーションです。

Morgan Stanleyのエコノミストは、インフレーションがまもなくピークに達すると考えています。

価格の上昇が続くと、個人消費、ひいては広告費が冷えこむため、注意してください。

3.ライブエンターテイメント:ヒーローは株価を上昇させる?

スポーツに関しては、増加する消費者の需要を満たすために、2022年から2030年の間に6%の年間成長率を生み出すと予想されます。

すでに、米国内の5大会場における2022年の第1四半期のイベント数は20%増加しています(2019年の同時期と比較して)。

映画に関しては、消費者待望のスーパーヒーローが観客を映画館に呼び戻すと予想されています。

とはいうものの、コロナ感染症により魅力的な映画の多くは生産停止になってしまったために2022年の総観客数は、2019年の80%にしか満たないだろうと予測されています。

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*上記のコンテンツの一部はMorgan Stanley Webciteを和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。