【行動経済学】下落市場で投資家が犯す致命的な5つのミス

はじめに

市場に混乱が訪れ株式市場が大きく落ち込みました。

市場の混乱は、投資家にとって大きな悩みの種ですよね。

あなたは市場の混乱に乗じて買い増すタイプですか?それとも損切りを行い市場を避けるタイプでしょうか?

今日はMorgan Stanley、Senior Investment ManagementのDaniel Huntがまとめてくれた、投資家が犯しがちな5つのミスをシェアします。

今回の下落でダメージを受けたあなたは、本記事を読んで次回の下落に備えましょう。

スタート

1.パニックになり売却する

何年にもわたって構築してきた投資ポートフォリオが急降下するのは耐え難いことだと思います。

なるべく早く損切りを行い、出血を止めたいという気持ちも分かります。

ですが皮肉なことに、これは投資家ができる唯一の、最も損害を被る選択である可能性が高いです。

なぜなら下落がおわり、市場が上昇するかどうかなど誰にも分からないからです。

1980年に2人の投資家が同じタイミングで投資をスタートしたとしましょう。

1人はバイアンドホールド。下落市場でも損切りをしませんでした。

もう1人はアクティブトレード。下落市場で早期に損切りを行い、市場が回復するまで待ってから買い戻しました。

その結果2022年2月末まで、下落市場で損切りをしなかった人の年間収益が平均12%になりました。

一方で損切りを行った人の年間収益は平均10%だったのです。

複利の効果を考えると各投資家が年間5,000ドル(約50万円)を市場に寄付していた場合。

バイアンドホールド投資家の資産は現在430万ドル(約4.3億円)でした。

一方で損切りした人は250万ドル(約2.5億円)しか持っていません。

十分に研究されたポートフォリオは、最終的にあなたを含み益をもたらすことを忘れずに、長期投資を心がけてください。

2.現金資産にとどまる

この誤解はパニック売りの被害を悪化させます。

株価が大きく下落した際には、その後大きく反発し、株価が上昇することを歴史は示しています。

あなたが1980年から2022年2月まで年間5,000ドルを投資していたとしましょう。

しかし、株価が30%下落した際にすべての資産を売却し、その後市場に戻ることがなかったとすれば、あなたの手元にいま残っている資産は43万ドル(約4,300万円)です。

必要以上の現金を持っている人々は、そのお金を資産にすることで将来目標となる保有金額を達成しなくてはなりません。

ドルコスト平均法は、一定数の株式を定期的に(たとえば、毎月)購入して、現金を徐々に市場に戻す方法であり、目標を達成する最良の方法です。

ドルコスト平均法は、タイミングの運に対するポートフォリオの感度を低下させます。

このため、暴落に打ちのめされた投資家は、巨額の資金を市場に投入する心配を回避できるため、現金から抜け出すことが容易になります。

3.自信過剰になり、判断を誤る

多くの投資家が、自分の判断力を過大評価しています。

株価が下落している時に、底値を予測して購入しようとするのがいい例でしょう。

投資の格言として、”落ちてくるナイフをつかむな”というものがあります。

この格言からも分かるように株式を割安で購入したいときは、下落が落ち着いてからにするべきです。

しかし自信過剰になってしまった投資家は、それができません。

彼らはプロの投資家よりも市場で何が起こっているのかをよく理解していると誤解する傾向にあります。

自分は損失を避けて掘り出し物を見つける実力があると勘違いしてしまうんですね。

短期間の取引から利益を得るのは、実際には思ったよりもはるかに困難だということを覚えておいてください。

あなたが信頼のおけるファイナンシャルプランナーを見つけ、あなたのリスク許容度に基づいたポートフォリオを一緒に考えてもらいましょう。

4.損失を埋め合わせようとして、墓穴を掘る

投資家は、自分が持っている株式を、購入金額を下回った金額で売りたくありません。

彼らは株価が再び上昇すると信じているために含み損と共存することになります。

また投資家は、自分が持っている株式を株価が最高到達点にとどいた時に売りたがります。

彼らは株価が減少することを心配しているためにまだ株価が上がる株式を早期に売る可能性があります。

これらの行動は、行動経済学において「ディスポジション効果」として知られています。

多くの場合、投資家は、価格が下落した株を売り、上昇している株を保持するほうがよいでしょう。

課税対象の投資口座で損失が発生した場合、それらのポジションを売却して損失を「収穫」することで、長期的な税効率を向上させることができます。

(税効率に関して詳しくはインデックス投資相談所を参照。)

5.リバランスを忘れる

下落市場では株式を手放し、債券に資産を移行する傾向が強くなります。

そのため多くの投資家の株式へのポートフォリオの資産配分は大幅に減少する傾向があります。

多くの場合、下落にショックを受けた投資家は、ポートフォリオを株式にリバランスすることを怠る可能性がありますね。

その結果、ポートフォリオが下落市場から回復するのに時間がかかる可能性があります。

そうならないよう、常にリバランスを心がけましょう。

最初に考えたポートフォリオにおける株式と債券、コモディティの配分を常に守ることで、リスク調整後のリターンを長期的に改善することができます。

下落市場で株式を売却したのちに、リバランスのために株式を購入した場合、市場の反発により株式の割り当てが大きくなるでしょう

そうなったら今度はそれらの株式を売却する必要があります。

すなわち、これは投機的ではなく体系的な買い低・売り高の原則に基づいた投資となるのです。

おわりに

投資損失は苦痛ですが、毎月の口座明細書に執着するのではなく、長期目標に集中し続けることができれば、長期的にはあなたの気分はより良くなるでしょう。

もしファイナンシャルアドバイザーがいるのなら、彼らと協力することで、ボラティリティを乗り越え、計画を堅持することをおすすめします。

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*上記のコンテンツの一部はMorgan Stanley Webciteを和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。