はじめに

米Morgan Stanley, chief cross asset strategistのMajerが最新のトレンドについて話してくれました。 

スタート

我々の誇るのグローバルエコノミストとストラテジスト達が、数週間を費やして、今後12か月の米株式市場を予測してくれました。結論は前記事を読んでもらうとして、今後のEconomic windが市場をより複雑なものにしそうです。

今後12か月間で、史上最高の貯蓄率を示した消費者が、史上最大の財政刺激策と金融緩和に支えられた世界で消費活動を行う力強い市場を目の当たりにするでしょう。過去10年間投資をしていなかった消費者たちが固定資産を購入し、ワクチン接種率の増加は不況からの迅速な回復をサポートしています。

過去11年間のこの抑圧された消費活動はしばしば、緊縮財政、投資不足、世界的な財政危機によるものであるとしばしば定義されます。この不況からの脱却は現在を生きる私たちの物語であり、歴史上の不況やそこからの回復とは全く異なります。すなわち投資家は、歴史とは異なる別の困難なジレンマに直面しなければなりません。



困難である理由は世界経済が大きな追い風を享受しているためであり、これらの追い風が異常な速度での正常化をもたらすために、不況からの回復サイクルが極めて短くなっているからです。回復サイクルが短いことは、1920年代と1950年代の米国経済と比較すると分かりやすいです(どちらも不況からの回復に10年前後要している: YUTAの米国経済ブログ参照)。これに対してコロナショックからわずか1年しかたっていないにも関わらず現在の市場は回復中期の特徴を示しています。これは素晴らしいことですが、一方で経済により複雑さをもたらします。

インフレ率の上昇が大きいということは、中央銀行がより迅速に政策を引き締めることを意味する可能性があります。金利や法人税の上昇による財政政策が行われた場合、すでに投資家の楽観主義と異常なまでの高評価に押し上げられた米国経済は、より正常なパターンに近づくでしょう。背景を正確に把握することは困難です。S&P 500が最安値を示した2020年3月からわずか14か月で、投資家は回復初期サイクルに直面し、現在回復中期であるとの見方がますます高まっています。そこで我々が考える投資家への重要なアドバイスは次の3つです


一つ目は、最初の強い経済風はリスクとチャンスの両方を生み出します。我々はリスクを減らすために、この14ヶ月で目覚ましい成果を上げた資産クラスを減らしています。これらの資産はこれからの厳しい景気循環の中で不利な立場にあるためです。

二つ目は、これらの米国経済内におけるリスクは米国外の株式に有利に働くため、我々は全体として少し多めのグローバル株式を維持しています。現在最も多く維持しているヨーロッパ株式、続いて日本株式は、比較的インフレ圧力が低く、税金や中央銀行の政策を変更するリスクが低いと考えられます。これらの要因のリスクが高い米国株式と比較すると、これらの地域の株式は有利であると考えています。

三つ目は、米国の10年物国債利回りが今後12か月で2%(現在値0.834%)に上昇し、ドイツの10年債券利回りが0%(現在値-0.124%)に上昇することで、金利が緩やかに上昇すると予想しています。債券利回りの上昇は、経済成長の改善という私たちの期待とは相容れないように思われるかもしれませんが、債券市場の価格はすでにかなり上昇しています。通貨では、米ドルがやや上昇し、ニュージーランドドルがさらに上昇し、日本円が下落しているといったところです。

市場は間違いなく来年に多くの紆余曲折を見るでしょう。見解が変わったときには、あなたにすぐに知らせます。

 翻訳協力:翻訳細胞くん_translator cell

*上記のコンテンツはPodcast "Thoughts on the market"を和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。