はじめに

米Morgan Stanley, chief investment officer in chief US equity strategistのMike Wilsonが先週発表した米国株式予測に対する投資家たちの反応をまとめてくれました。 

スタート

先週、我々が発表した米国株式動向予測(S&P 500はこれから下がる!)について投資家たちと話し合いました。今日は我々の見解に対する投資家たちのフィードバックとそれに対する我々の見解を五つ皆さんと共有したいと思います。

①現在の動向は経済回復中期(ミッドサイクル)

経済がミッドサイクルに移行しているという我々の見解が確実に受け入れられています。市場を引き上げるリーダー株が日々変化するために、多くの投資家が一貫してお金を稼ぐのに苦労しており、市場で何かが変わったという認識を持っています。実際、これは典型的なミッドサイクルの移行と非常に一致しており、市場は次のコンセンサスを見つけるのに苦労しています。

②金融緩和は継続

一方で投資家たちは、我々とは違い、株式評価を15%引き下げる必要はないと考えています。我々の見解は歴史的な経済ショック後の動向に基づいていますが、多くの投資家は今回は特異的な経済ショックであり今までの歴史とは異なると考えています。それは、米連邦準備制度理事会(FRB)や他の中央銀行が通常よりも長い間ハト派(金融緩和)を維持することを約束しているためです。我々はこの長期的な金融緩和は、後でより早く、強く金融引き締めが行われることを意味すると信じています。また、株式市場はそれを理解しており、債券市場からの合図を待つのではなく、積極的に自身の評価を下げることで適切に割り引かれると考えています。さらに重要なことに、それは株式市場の最も高価な株式層ですでに起こっており、我々の見解では中間層や安価な層にもこのトレンドが広がり始めるはずです。

③成長予測が保守的

多くの投資家は、来年の収益成長予測が保守的すぎると考えています。このトピックについて我々は面白いことに気づきました。過去1年間、企業の多くは政府を受けて爆発的な収益記録を達成しました。しかし、来年のコンセンサス予測は、支援を受けて初めてなし得た収益を上回っているようです。つまり、インフレと税金による逆風が見積もりに組み込まれておらず、マージンの仮定が高すぎるということです。市場はこれを考慮し始め、よりかちが下落すると我々は考えています。

④インフラ投資への反対

我々が勧めている取引についての反発が見られました。Industry部門の格下げに対する反発に始まり、多くの投資家は、なぜ今、インフラ投資を推進しているのかと尋ねました。我々はインフラ関連株の多くが現在適切な価格設定になっていると考えており、それは一般的にインフラ構想が、ほとんどの人が理解しているよりも、実現するまでにはるかに長い時間がかかるからでしょう。一方で、多くのIndustry部門に所属する企業は、サプライチェーンにおけるインフレの向かい風に最も苦しむでしょう。

その代わり、リオープニングに乗じて上昇するインフレを積極的に捉える方法として、金融株と材料株を引き続き好んでいます。ヘルスケアやテクノロジー株にもまた好意的ではありません。投資家が新しい投資先を求めてヘルスケア株をより積極的に探していることは確かです。しかし我々は、ヘルスケアサービスとテクノロジー商品が、過去一年の大きな需要に対して安価なサービスを提供してしまったツケを今年支払わなければならなくなると考えています。

➄ミッドサイクルの勝者はどちらか?

五つ目は、一般消費財・サービス(Consumer discretionary)よりも、生活必需品(Consumer staple)関連株の方が、ミッドサイクルの移行期間中に優れた業績を上げるという我々の考えに対する最大級の反発です。投資家たちは、消費者たちが強いられてきた過剰なまでの節約がConsumer discretionary事業の予想以上の成長につながると信じています。しかし、我々の分析では、長期的な傾向と比較した時に昨年の消費は過剰であり、このことがリオープニング後の支出を一部抑制することを示唆していると考えます。また、Consumer discretionary関連株は基本的に初期サイクルの勝者であり、ミッドサイクルの段階ではパフォーマンスが低下する傾向があります。

おわりに

結論として、我々のミッドサイクル移行に関するアイデアは非常にユニークなようです。これらのフィードバックを活かして、常に予測を更新していかなければなりません。我々が信じる収益を上げるための最良の方法は、バリュー取引を行うことです。すなわちConsumer discretionaryよりもConsumer stapleであり、テクノロジーや産業関連よりも材料関連株です。また、銀行関連を引き続き支持することはインフレを見据えた最良の方法であり、半導体小売業者や住宅建設業者、住宅改良スタックなどの初期サイクルで活躍した企業を避けることをお勧めします。

 翻訳協力:翻訳細胞くん_translator cell

*上記のコンテンツはPodcast "Thoughts on the market"を和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。