【米国経済】2022年のETFトレンドとは?好調が続くたった1つの理由

はじめに

世界経済が歴史上でもそうそうないスピードで成長した2021年も終わり、とうとう2022年がやってきました。当ブログでは、2022年の米国株式市場もかなり好調になる(参照:【米国経済】2022年の米国経済はどうなる?)だと予想していますが、ETF市場はどうなるでしょうか?

今日はMorningstarのGlobal Director of ETF ResearchであるBen Johnsonに2022年のETF市場のトレンドについて聞いていきましょう。

2022年も米国投資.comをよろしくお願いします。

スタート

司会:2021年はETF市場が大きく湧いた1年になりましたね。まずは資金の流入について簡単にまとめてもらえますか?

Ben:2021年にETF市場に流入した資金は11月の時点で歴代最高の7,940億ドルでした。これは2020年の流入額である5,050億ドルを大きく上回ります。ちなみに2021年は、7月の時点で5,050億ドルの資金流入を達成していました。

司会:2021年に投資家が購入していた商品はどのようなものでしたか?

Ben:まず伝えておきたいのは、最適な投資とは”退屈”であるということです。ETFは退屈であればあるほど投資家には魅力的に映ります。すなわち、最も資産が分散されていて、最も手数料が少なく、最も流動性が高いETFが自然と人気になります。

このETFを購入するということはまるで、ペンキが渇くのを観察したり、芝が伸びるのを1日中見ているくらい退屈なことですね。

実際には、Vanguard Total Stock Market Index ETF (VTI) が2021年最も人気なETFであったという結論になりました。

現在VTIの資産規模は1.3兆ドルにのぼり、2021年11月時点での資金流入額は400億ドルと、ETF市場全体への資金流入のうち約5%がVTIに流入している計算となりました。

これは投資家たちが多様な株式を保有し、かつ手数料を最小に抑えることを最善としていることを示す非常にいい例です。

司会:新規にスタートしたETFの数も大変多かったですよね。

Ben:そうですね。2020年には300以上の新規ETFが、2021年には400以上の新規ETFがスタートしました。もちろんこれらのETFの中には”退屈”からかけ離れたものもあります。サイケデリックドラッグに関するETFなんかも新たにスタートしましたしね。

いずれにせよ、新たにスタートしたETFのおかげで、ETFがあらゆる投資手法をカバーしています。

司会:Fidelity Magelanが投資信託からETFに転向しましたが、投資信託がETFに転向するメリットについて話してもらえますか?

Ben:最近よく見られる傾向ですね。大きな理由は投資信託市場よりもETF市場にお金が流れ込んでいるからです。これは資金フローの分析結果からも明らかです。

2020年には新規にスタートしたETFの数が、同じく2020年に新規にスタートした投資信託の数を初めて上回りました。2021年にはこのギャップがさらに広まっています。

投資信託は、ETFに転向することで投資家たちに手数料の削減、節税効果、容易な売買などのメリットを提供することができます。

ETFは投資信託とは違い株式市場でリアルタイムで売買できることからもより多くの投資家の手に渡ることができますしね。

このことからもETFが投資家たちの大きなトレンドになっていることは間違いありません。

司会:2022年のETF市場をどのように予想していますか?

Ben:ETF市場にはさらなる資金の流入が起きると予想しています。2021年の市場は非常に好調で、コロナの影響で市場から一度は退場した投資家たちも再度参加せざるを得ないような状況でした。

2022年、何らかの特別な要因で市場の成長が鈍化したとしても、ETF市場への資金流入はそれを相殺する以上のものになると考えています。

そしてその資金の大部分は、最も資産が分散されていて、最も手数料が少ない”退屈”な金融商品の購入に使われるでしょう。

司会:2022年も好調な市場に期待が持てますね。Ben、今日はありがとうございました。

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saibou

*上記のコンテンツの一部はPodcast "Investing Insights"を和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。