はじめに

Morgan StanleyのChief U. S. economistのEllen Zentnerが米国経済の今後の展望に関する質問に答えてくれました。今回の内容は2回に分けて連載します。第2回はコチラ

Q1/6 米国経済の経済成長度は今後12ヶ月でどのくらいのものになりますか?

今年の成長は非常に堅調なものになるでしょう。経済指標のグラフが雲の下から突き抜けていることを考えると、それほど驚くことではないかもしれませんが、今年の4四半期でのGDP成長率は8%(2020年は-3.51%)になると見込んでいます。これは当然リオープニングによる効果です。消費者がどれだけ経済に再び関与し、何兆ドルもの余剰貯蓄をどれだけ引き出してくれるのか、また彼らがどれだけ仕事を取り戻すことができるのか、によります。しかしこれらはすべて米国において非常に前向きに捉えていいでしょう。もちろんリスクもあります。労働者の復帰は企業にとってコストになります。また、FEDがより遠い未来の経済成長を見据えて、現在の急激な経済成長を抑制する決断をするかもしれません。しかし、今年1年は少なくとも我々の投資は快適なものになるはずです。

Q2/6 米国におけるインフレーションの見通しは?

インフレーションに関する値は前回の予想よりもはるかに高くなると思います。世界経済が最大のディスインフレーションを記録した昨年と比較すると、私たちが今経験しているこの短期的なインフレ率の急増は予想されていました。しかし、リオープニングによる需要の予想外の急増が供給を上回っていたためにインフレ率は予想よりも高いものになってしまいました(2021年4月のインフレ率は驚異の4.2%)。我々はそれを鑑みてインフレの成長予測を上方修正しました。これらのほとんどは一時的なものであると私たちは信じていますが、根底にあるインフレ圧力が高まっているため、これらのコロナショック関連の歪みが過ぎ去った後もインフレ率は依然として高いままであり、来年もインフレ率は高くなっていくでしょう。

Q3/6 労働市場の今後は?

人々が労働市場から撤退しているのは非常に現実的な事実です。ただしそれは、離職者の年齢だけが示唆するよりもはるかに大きな意味を持っています(下図: 65歳以上の離職者が最多)。例えば、コロナの影響で新学期のスタートが不均一であった影響ですした。この影響を受けた幼い子供を持つ女性は、労働市場への参入が妨げてられているという点において議論の余地があると思います。これから米国では長い夏休みが始まるために、子供たちが完全に学校に戻る秋まで、彼女らは仕事に復帰しないかもしれません。また別の研究結果では、いくつかの州においては手厚すぎる援助金が、人々が労働に戻ることを妨げているということを示唆しています。このことが4月の雇用創出を妨げた可能性がありますが、5月には予定通り、約65万人(4月では26万6千人)の新たな雇用が創出されると考えています。

(Urban wireより引用)

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*上記のコンテンツはPodcast "Thoughts on the market"を和訳したものであり、情報提供のみを目的としております。また内容は作成時に入手可能な情報に基づくものあり、読者様の財務状況や投資目的を考慮しておらず、内容が適さない可能性があることにご留意ください。